ファイル複製と非ファイル複製
デジタルデータ、特に画像の複製には以下のように2つの方法があります。
1. **ファイル複製**
画像ファイル自体をそのままコピーする方法です。この場合、元の画像とコピーされた画像は完全に同じデータになります。
2. **非ファイル複製**
カメラで画面を撮影したり、スクリーンショットを撮ったりして複製する方法です。この場合、元の画像と見た目はほとんど同じですが、データとしては異なります。
問題となるのは、この非ファイル複製の画像が、元画像の所有者の許可なく不正利用されるケースです。これが権利侵害などのトラブルにつながる可能性があるためです。
ガロアQRについて
**従来のQRコード(DSQRコード、パスワードQRを含む)の課題**
1. **非ファイル複製が区別できない**
- 印刷されたQRコードは印刷技術を使って偽物と本物の識別はある程度可能ですが、デジタル環境では極めて困難。
- 従来のQRコードリーダでは、非ファイル複製されたコードも元のコードと同じように読み取られてしまう。
2. **元データとの照合が必要**
- 非ファイル複製の検出には、元のQRコードデータと比較する必要があり、効率が悪い。
1. **非ファイル複製の判定が可能**
- ガロアQRはmRS署名というデジタル署名を使用。
mRS署名は非ファイル複製の検知を可能にします。
- ガロアQR専用のリーダを使うことで、カメラ撮影などでコピーされたコードを正確に判別。
- 例: 非ファイル複製 されたガロアQRを専用リーダで読み取ると「FALSE」と判定されます。
2. **元データとの照合が不要**
- 照合処理が不要になり、コストの軽減につながります。
汎用QRコードリーダでの読み取り | ||
専用リーダでの読み取り |
ガロアQRの例
ここでは、ガロアQRとその非ファイル複製をガロアQR専用リーダで読み取った例を示します。(a) ガロアQR
(b) ガロアQR複製
(c) ガロアQR 判定結果
(d) ガロアQR複製 判定結果
図(a)と図(b)は、それぞれガロアQRと、ガロアQRの非ファイル複製です。この2つは、画像として同じなので、汎用QRコードリーダで読むと同じメッセージが表示されます。しかし、ガロアQRの専用リーダで読むと、図(c)、(d)のような判定結果になります。
図(c)の ID、・・・、Date はmRS署名に含まれているデータです。